■ 語りと箏と舞と「源氏物語幻想」柏木・浮舟 ■

◆◆ごあいさつ(プログラムより)◆◆

  朝廷歌人・紫式部によって書かれた世界最古の大恋愛小説「源氏物語」が世に出てから今年で一千年目になりますとか、奇しくも私共の第3回公演が、この期に一致し源氏物語千年紀記念事業として加えられました。誠に光栄に存じております。
 思い返せば、第1回目は2005年12月アトリオン音楽ホールに於いて、桐壺、夕顔、若紫、末摘花、葵、須磨を夢中で演じ通し、ラストシーンは大きな大きな月(演舞場からお借りした、電球が数個入っている)を舞手が眺め明かす後姿。音楽も、この時だけの為に作曲し奏した事が、強い印象と共に懐かしく思い出されます。
 又、第2回目は2007年3月文化会館大ホールに於いて、須磨、明石、澪標、蓬生、松風と五つの物語を致しました。演出の竹柴氏がご持参下さった歌舞伎仕様の雪が奥嵯峨の寒さの中に明石の君と幼い姫君の切ない別れを盛り上げ、舞台上の者達も昔を今に胸しめつけられておりました。  その後お会いする方々から"あの姫君はどうなったの""第三回目はいつ?"と、嬉しい反響を頂いておりました。この様な応援歌とも云えるお言葉を頂くと、有難く感謝の気持がわいてまいります。
 公演はいつの時も幕を上げる迄、沢山の難題をクリアしなければなりません。文殊に足りない3人の智恵を助けてくださいますように、今回も前回に引き続き、演出は歌舞伎狂言作家の竹柴彰三氏、お笛は福原友裕氏にお願いしました。加えて県内4人の楽人が平安の音を響かせて下さいます。
 秋田県芸術祭参加、県文化振興基金のご支援を頂いた上、各界諸先生、友人知人のお力をお借りしましたお蔭で、どうやら幕が開きそうです。
 今回をもって源氏物語は終結しますが『文学と芸能』に親しむ会は次なる名作にて公演を予定しております。ご期待下さい。

 さあ、妙なる平安の調べが聞こえてきました。
都は花ざかり、大宮人は蹴鞠(けまり)に遊び、雅な世界がくり広げられます。晩秋の一夜、ごゆっくりご鑑賞下さいませ。

『文学と芸能』に親しむ会
野口 裕子
安倍眞壽美
藤間 静蘭

◆◆主な出演者◆◆

語り・安倍 眞壽美 箏・野口 裕子 舞・藤間 静蘭

笛・福原 友裕 演出・竹柴 彰三

◆◆公演情報◆◆

日  時 平成21年11月28日(金)
      18時30分開演
会  場 秋田市文化会館大ホール

入場料 3,000円